眼鏡の錬金術師

羊の木の眼鏡の錬金術師のレビュー・感想・評価

羊の木(2018年製作の映画)
3.2
元受刑者(殺人犯)を仮釈放して仕事と住まいを与えてとある町に移住させる国家プロジェクト、それの事業に関わることになった市職員の月末が主人公。

このプロジェクトの現実味がなー。作中では過疎対策が挙げられていたけど、正直市側にメリットほとんどないでしょう。せめて過疎対策っていうならもうちょっと若い人をいれてかないと。
てか市職員の月末が保護監察官みたいな役割までしてるのは違和感。こういう事業の場合ちゃんと国が主体となるべきでしょう。
この辺の粗がいちいち目についてしまって、なんかリアリティに欠ける印象を受けた。

殺人犯と交流を深めるなかで、どこまで相手を信頼できるかということが試されるという展開。
この辺は前に見た「怒り」に似てると思った。

月末が好いてる女の子に彼氏(宮腰)が前科者だって教えちゃうシーンは月末の人間味が出ていてすごく良かった。

終盤結構急展開で、せっかく友情を育んでいた宮腰がかなりやべぇやつだってことが分かり、月末の感情に共感できなかった。ラストも急なCGでシーンが浮いてた。

終盤さえもっと自然な感じならもっと良かったのになぁ。ちととんがりすぎ。