人生の描きかた。
第11回札幌国際短編映画祭で見逃したので、北海道立近代美術館での特別上映まで追いかけて行って鑑賞。
監督は菅原達郎。若手の映像クリエイターとしてMVやCMのメイキング映像などで活躍中の方。
本作は、どこにでもありそうな一軒家を舞台に、どこにでもいそうな男女が、人生におけるドラマを凝縮させた姿を見せてくれる、まるで白昼夢のような作品。
実験的な手法で人生を表現している作品なので、正直に言って観た直後はわけわからん、なのだけど、自分なりにいろいろ解釈してみると、なかなかに味わい深い。男と女がいて、そこに家があれば、人生において発現するドラマは多様に描くことができるのかな、と思ったりもする。
彼がピアニストの園田涼とコラボして制作したMV「スローモーション・キラーズ」を観たら、より一層、彼の描きたい世界を感じとれたような気がした。
人生とは、夢や希望や諦めや寂しさや愛情に満ちた世界に生きるということなのだろう。
本作は短編だから、娯楽性をそぎ落とした上でソリッドに描ききれていると思うのだけど、この監督が商業長編を作ったらどんなものになるのだろうか、という興味はある。僭越ながら、今後の期待も込めてスコアはこんなところで。