ドント

フェンスのドントのレビュー・感想・評価

フェンス(2016年製作の映画)
3.5
2016年。たまらんですね。1950年代の米国。元野球選手の屈折しすぎた父親、その妻、フットボール選手を目指す息子らが織り成すいささか複雑な家族のドラマ。
デンゼル・ワシントンが監督&主演、奥さん役はヴィオラ・デイビス。原作は演劇で二人とも舞台の方でも同じ役をして賞までもらっているので相性は抜群、彼らをはじめとして朗々とした節回しが絶えず流れてほとんど詩かヒップホップのよう。
正直映画としては、退屈ではないにせよ「舞台劇の映画化」を脱しきれていないけども(殊に題名のフェンスを全然見せれていないのは大問題)、デンゼルの悲しくも強権的なクソ毒親の駄弁りと理不尽説教、デイビスの耐え忍ぶ母親、苦しむ息子らのつらみハーモニーが130分を牽引する。簡素なステージの中で演技の深みとすごさを観る映画。
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