ミーハー女子大生

ムーンライトのミーハー女子大生のレビュー・感想・評価

ムーンライト(2016年製作の映画)
2.8
アカデミー賞作品賞受賞でグッと注目度が上がった今作。

内容はいたって単純で、シャロンという黒人を幼少期・学生期・成人期の3部に分けて人生を画いている。
そこにこの作品の重要なテーマとなっているのは「同性愛」である。
シャロンは母が麻薬をやり貧乏でみんなからいじめられながら唯一の友人である同性のケビンを次第に好きになっていく。
シャロンはどちらかといえば無口でセリフが少ないので時間が経つのが遅く感じるが、不思議と退屈感は無く観ることができた。

しかし、アカデミー賞作品賞に相応しい作品かと聞かれたら私は首を縦に振ることはできない。
内容がシャロンの一途な同性愛がメインで、いじめや母の育児放棄は二の次なのだ。
その同性愛も涙を流すほどの感動もなくシャロンがケビンを好きになるプロセスも全く足りない。
これは同性愛だからまだ視点が違うのかもしれないけど、同じ内容で普通の男女で作っていたらみんなからソッポを向かれるようなチープな作品になっていただろう。

観終わって感じたのは過去2年のアカデミー賞で候補者全員が白人だったことから授賞式をボイコットした黒人俳優が多かった。
私はそれがたまたまだったと信じたいけど、ボイコットまで出てさすがにまずいと思った変な審査員達が黒人が主役のこの作品を作品賞にしたのではないかという疑念を拭う事ができない位アカデミー賞としての質の重さを感じない。
 
最後に今作でアカデミー賞助演男優賞をマハーシャラ・アリが受賞しているが、私は彼よりも高校生の時のシャロンを演じた俳優の方が上手かったと感じたし、高校の時のシャロンと成人になったシャロンが黒人であること以外は面影がないほど似てなかったのはどうも釈然としなかった。

ストーリー 3
演出 3
音楽 3
印象 3
独創性 3
関心度 2
総合 2.8