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ムーンライトのsssのネタバレレビュー・内容・結末

ムーンライト(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

差別といえば人種差別とゲイ差別がまず頭に浮かぶ。
もし人種的に差別される人がゲイだったら、それってマジで最悪なんじゃないか。最近そんな事を思ってた矢先にこの映画を見た。

主人公はゲイの黒人。おまけに彼はいじめられっ子で、貧乏で、お母さんはヤク中。最悪の状況。

そんな設定だからドラマチックな映画だろうと予想していたが逆にものすごく抑制された映画だった。
主人公は無口。怒ったり泣きわめいたりしない。

3部構成で少年期・青年期・成人期と主人公の成長が描かれるが、その間に起こったであろう事、例えば刑務所に入った時の事とか、その後ヤクの売人としてのし上がった事など、映画的に盛り上がる所は描かれない。
じゃー何を描いてるかって言ったら、それは彼がゲイであるって事。そこに焦点を絞ってる。
いくらでも観客を泣かせられるけど、あえてそうはしてない。
アカデミー賞で争う相手、ララランドとは真逆の印象だった。

主人公はおじさんに、黒人は月明かりの下ではブルーに見える、って話を聞く。そして自分が何者であるかは自分自身で決めろ、と教えられる。
この時僕は、彼がブルーになっていく話なんだと思った。
やがて青年期になりゲイである自覚ができる。
そうか。ブルーになるって事は、ゲイである自分を偽らないって事なんだ、と思った。
しかし初恋の相手の黒人青年は主人公をブラックというあだ名で呼ぶ。ん?ブラック?
その彼とは文字通りムーンライトの下で結ばれる。偽りない瞬間。なのにブラック?
その後2人は成人して再会するんだけど、すっかりマッチョのヤクの売人に変わってしまった主人公に対し、お前は一体だれだ?そんなんじゃなかっただろ?と言われる。

これ、やはりあだ名はブラックじゃないほうが良かった…と思うのは自分だけだろうか。
ミスリードになってしまって、雑念になってしまった。受け取り方の問題だろうか。その一点が気になった。

今作は撮影をたった25日間でやり、
ヤク中の母親役のナオミハリスはたった3日間で撮影したらしい。1日1部。すごい。

今作はブラピの映画会社プランBの製作。プランBは良い映画ばっか撮ってて、映画賞もとりまくってる。
なかでも最近は黒人映画が多いと感じる。
「それでも夜は明ける」
「グローリー」など。
「それでも夜は明ける」ではブラピは黒人奴隷を助ける白人役。
ブラピは一体何者なんだ。。
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