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ムーンライトのやのネタバレレビュー・内容・結末

ムーンライト(2016年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

初日に観た。

この映画を覆う問題(人種、ジェンダー、いじめ、ドラッグ)は一要素にしか過ぎず、この映画を司っていたのは、どこまでも純粋な愛、普遍的な愛だった。(そのことは、最後のショットで物語っている。)同時に、一体自分は誰なのか?何者なのか?というシャロン個人の内省的な物語でもあった。

シャロンを演じる3人の俳優はあまり似ておらず、特に大人になってからのシャロンは筋肉隆々で顔つきも全然違う。なのに3人とも瞳が全く一緒。形や色が一緒っていうことではなく、彼らが見て来たもの、見つめるもの、物語るもの、瞳にうつる彼らの内面性が一緒だった。それは、瞳で語ることの尊さ、美しさだ。

カットの仕方も独特で、断片的なショットを並べて象徴的なシーンを作り出すとでもいうのか(まだここらへんが整理つけてないし、もう一度ちゃんと観たい)、とにかく、画面の圧倒的な美しさも相まって、終始不思議な感覚で、時間もあっという間だった。それなのに余韻は未だに続いていて、当分抜け出せそうにない。
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