成川ジロー

ムーンライトの成川ジローのレビュー・感想・評価

ムーンライト(2016年製作の映画)
3.5
とても悲しくて切なくて綺麗な物語って云うのはわかる。作品的には嫌いじゃない。ちょっとパワーが足りないと言うか、自分には強烈に響くものとかが無かった。思い返すと良い映画だったなって思うんだけどね。全てを描いてる訳じゃないから思い返して考えてみると想像が捗ってしみじみくる。普通に良い映画。
好きなシーンはやっぱりレストランのシーンで、それまでの主人公のワクワクっぷりは何か微笑ましく感じた。
お互いの近況を話す時の主人公の辛さのは伝わってきてちょっと泣けた。母親を肉体的にも精神的にも蝕むドラッグを悪いものだってわかっていながらも、それしか手段がなくてのし上がっちゃって、身体もバッキバキに鍛え上げて外から見たら何もかもが変わったように成功しているように見えるけど、主人公の中身はあの頃から停滞したままの切なさ、事件のことを謝罪して停滞していたままの主人公に気付いて優しく包み込む友人の愛情も、じんわりくるものがある。そこら辺は結構好き。

後半筋肉モリモリなのにエロかった。役者の演技が上手いんだろうな。料理するシーンもなんかエロい。ただ、一番演技凄いなって思ったのは母親役のナオミ・ハリスでした。コットンマウスさんも良かったけど。全ての時代に出てくる同一の役者だからかな。
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