ぐるぐる映画

ムーンライトのぐるぐる映画のレビュー・感想・評価

ムーンライト(2016年製作の映画)
3.9
今だからこそ直視しなければならない問題を穏やかで静かな波のように描いたヒューマンドラマ。

アカデミー賞で前代未聞のミスから大逆転で作品賞を取った本作。

いじめ・貧困・ドラッグ・人種差別・LGBTなどの問題をテーマにしており、近年の時代の傾向と昨年の白人主義のアカデミー賞に批判が集まった結果の受賞とは言われていますが、今の時代だからこそアカデミー賞を取らなければならない映画であると思います。

このムーンライトという映画は全体的に地味な雰囲気の映画であり、アカデミー賞を取らなければミニシアター系の映画だろうし、恐らく大勢の人がスルーしているような映画になっていたかもしれません。

しかし、アカデミー賞を取った事により大勢の人がこのムーンライトという映画に注目した。特に差別文化にあまりピンとこない僕ら日本人や、僕のようなLGBTに当てはまらない人がこの映画に注目し劇場もほぼ満席。この状況は本当に素晴らしい事だと思います。

あらゆる問題に対して一番の行動はまず「知る」ということ。この「知る」というアクションを注目することでできる。

そして作品賞のほかに脚色賞も獲得しただけあり脚本が素晴らしく写し過ぎずやり過ぎない、まるで穏やかで静かな波のように描く事で映画に深みが出ていた。

それによりその問題を「考える」という次のアクションを起こす事が出来る。
彼が今、何を考え思っていたのか?何を感じていたのか?という事を我々が自由に考える事が出来る。様々な問題に対して、「知る」と「考える」という2つの行動がこのムーンライトという映画ではできる。
これだけでも問題の解決に少しでも繋がるような気がします。

だからこそ今回、ムーンライトが作品賞を取ったことは素晴らしい事ですし、今の時代だからこそ取らなければならない映画であると思います。

一度見てからもう一度この映画を見て見ると、今回助演男優賞を受賞したマハーシャラ・アリ演じるフアンが幼少期のシャロンに手を差し伸べた理由も分かるのでそこにはグッとくるものがありますね。彼を見るあの表情とか切ないものがあります。