このレビューはネタバレを含みます
バリー監督のブラックビューティ
アカデミー作品賞、脚色賞、助演男優賞受賞。
脚本タレルマクレイニー
監督バリージェンキンス。
2016年アカデミー賞発表時、リアルタイム当時、リアルツィッター情報で声が出て驚いた。
まさかの間違え発表、しかもウォーレンべーティにさせる!!!という苦笑い確実な写真。
驚愕俳優の表情激変顔が呟きを飾りまくる。私も苦笑い。
そこに躍り出た作品賞受賞謎の「ムーンライト」。「ラララランド」の受賞予告見た限りはマアないかなと踏む予測、で、あたった。
そうこうするとまたまたツィッターにはやめ公開2017年5月のニュース。
わがイオンシネマ新潟西で限定公開決定。
ポスター写真を見るとブルー背景、黒人三分割な顔面、やけにビューティ。
黒人映画のなにやら臭い。
ツィッターに監督コメント
「ブエノスアイレス」(DVD所持)、お気に入り監督ゴダールの文字。
何が月の光で
どんな黒人表現なのか?
うーん!何かあるぞ!と思い、ガボちゃん主演「プレシャス」(2009年同配給ファントムフィルム、いつもマイナー良作配給感謝)以来8年ぶりのオスカー受賞作。
平日午後に鑑賞してまいりました。
なーるほどねえ!
注意するなら
暗い
同性愛理解出来ない
って方は見るのをオススメしない感じです。
言い方かえると、
アンリーの「ブローバックマウンテン」が見れる方は見て!という映画なんかもしれません。
あと背中からのステディカムショット長廻しが多用されてましたが、イマイチなのも分からなくもなかったですね、その後のドラマ展開からみてもちょっと編集カットしても良かったのかも。
内容地味。しょうもない。成長も無いってとらえられて、終了!!!ていう感慨があってもしかり。
ですが、私は生きてる事実として、アメリカの人間のやはりニューシネマ的
ありのままやん!この黒人たち!
的には誠に素晴らしいLGBT映画に見えましたねえ!
余談ですけどアカデミー賞の傾向は、私は作品賞受賞するやつってかなりのところ
ニューシネマ気質の作品(見にくいアメリカ、カッコ悪いアメリカ、少数派表現)。
移民人種作品(白人以外の作品)。が受賞する。
って思ってきてます、なんとなく。余談以上。
私は、中間のアシュトンサンダースが良かったなあ!あの目!必見!女性陣!
見ててツァイミンリャン監督の主役俳優、シャオカンの顔にたまにそっくりに見える時がありましたね。台湾映画、同種LGBT孤独作家ツァイの出演俳優シャオカンとアシュトン。時折寂しそうな表情がそっくりだったなあ。寂しい目を魅せてくれるんですよね、必見!
あと完コピに「ブエノスアイレス」オマージュで同音楽がかかった時、ニヤリニヤリしてまんまやんけ!とびっくりしたその!素直さに本監督、バリージェンキンスのウォンカーワイ愛を感じました。
いやあ、これはある意味らしくない表現だと思いますよ、黒人が中国映画に思いをはせるっ!てね。スパイクリーが聞いたらなんか怒りそうです。
まあ最初ブラックムービーと聞いて想像するのが、
麻薬物「スーパーフライ」「ニュージャックシティ」
人種差別もの「ドゥザライトシング」「マルコムX」「それでも夜は明ける」
コメディもの「フライデイ」「シドニーポワチエの逆転一発」
ギャングアクションものゴードンシャフト「黒いジャガー」「シャフト」
といろいろ私の好き系統があります。
が、見た後思ったのは、
私の好きな映画、ウォンカーワイの「ブエノスアイレス」の画面感覚と「ボーイズンザフッド」のシナリオ一部分格調したような感じで、かつ、足したような映画に見えました。ジョンシングルトンの「ボーイズンザフッド」
では、となりの母薬中毒というのがサラリと表現されていましたが、その拡張版ドラマにも見えましたね。
調べたら
ゴールデングローブ
ニューヨーク、ロサンゼルス批評家賞
インディペンデントスピリッツ賞
の作品賞みーんな受賞してた事に至極納得。
これがアカデミーで良かったとも思えましたね。
ちなみに
監督はストレート。脚本家は同性愛者だそうです。
アカデミー助演男優賞受賞したマハーシャラアリの存在感。アカデミーに届いたんでしょうね。黒人社会での訳あり父性を体現していましたね。
尊敬、汚い言語を使わず、メイクマネー。ジョンシングルトンの「ボーイズンザフッド」でも強く説く父をラリーフィッシュバーンが演じてました。
要は、貧乏を、差別を、いじめを、犯罪誘惑を、生き抜くすべを説く父性、助言者、支援者の必要みたいなもんです。マハーシャラアリの存在は、アメリカに今もいるわけです、、、まだ、、、麻薬はある、貧困もある、親子があるわけです。
さり気なく室内扇子や和物あったりアジアンテイストも内装ありましたね。
あと異様な紫のパンサー雌豹のようなイメージカットをはさまれるナオミハリス。必見!
あなたなら?どう思う!こんな母?
問題なわけです。
病める国、アメリカ問題をまさしくブラックビューティな画面色彩を挟み込みながら
麻薬
同性愛
スクールカースト
いじめ
貧富
コミ二ティ犯罪
差別
を内包しながらも
きわめて
同性愛なラブによりかかりながらも、
色彩ブルーなブラックに包まれる心象画面の青春映画になっていました。
私は女性が好きなんでわかりませんがLGBT問題。ですが、ラストのだどりついたムーンライト加減は、ぶっちゃけ!
なんで?異性を愛せない!!!
なのか
いや良かったやん!また会えて
なのか
わかりませんが。
いろんな壁を乗り越えるきっかけは、もしかすると
他人と共有する事や
ひょんなふれあいなんかもしれないとか。時間とか。経験値なんかもしれない。いやいや全然本質はわからん。とかいろんな感情が鈍化硬直しながら劇場を出て、劇場の壁に貼ってあるパンフコメントを必死にしゃがんで、読みましたとさってな感じ。
3つの時代をシンプルに魅せていた。とある黒人少年。少年から成年へ、月の光に照らされ、危険地域に住む黒人たちの青春ラブ物語ダウナー版でございました。
さて
バリー監督のブラックビューティ
弱くて小さいけど
ほのかな明かり
孤独なブラックインナービューティ映画でございました。
力強いブラックスプローテーションとは、真逆のアーティスティックなブラック映画でございました。
追記
製作のブラッドピット(会社プランB)の株はあがりますね!
本日ブログ投稿加筆済。