むくむく

ムーンライトのむくむくのネタバレレビュー・内容・結末

ムーンライト(2016年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

純度の高い恋愛映画だった。
とにかくシャロンが愛おしい。
ついケヴィンとの三章目に気が行ってしまうがシャロンを構成しているのは母親との関係も大きい。母親はクスリで我を忘れている時もだが反動で優しくなるときも苦しかったにちがいない。自分を掻き回した母と正面から向き合えて、シャロンは次に向かう勇気が出たんだと思う。
ケヴィンは学生時代に女との赤裸々なHをシャロンに語ったりとシャロンの胸が張り裂けそうなまねをちょいちょいしてる。(武勇伝はハッタリくさいけど話から逃れようとするシャロンがいじらしい)再会した時の近況も結婚と子供の話をして見てて真剣に怒りそうになった。
でも浜辺ではキスをしたいのに引きそうになるシャロンを自然にリードして自然に彼に手を伸ばした。
再会したときも一目でシャロンと解った。
シャロンに電話をしたきっかけは、懐かしい人との再会の歌だった。
この甘い歌でまた見ててケヴィンに腹立った。
こいつどんだけシャロンの心乱すんだ。
でも何度か見ているとこの時のケヴィンが相当緊張してる。
謝りたいのも本心だが、シャロンに闇雲に逢いたくなったのも真実。

シャロンを追い詰めたレゲエ野郎も少し気になる。
弱者を嗅ぎ付けていたぶる男だが、授業には出ていたし教師の言うことは一応聞いていた。校舎内で揉め事を起こさない分別もあった。どうも根が腐った人間には思えない。
自分が王様でいられる場所でだけの粗暴ぶりでねじ曲げられるような環境・事情があった気がする。
ケガが治って復学したら今度は虐められる立場になってしまうんじゃないだろうか。いい気味とはとても思えない。