yuki映画海外ドラマ

ムーンライトのyuki映画海外ドラマのレビュー・感想・評価

ムーンライト(2016年製作の映画)
3.9
1人の孤独な黒人少年が居場所と安らぎを求めて大人になるまでを描いたごくパーソナルなお話し。情感的で美しい映画だった。

貧困、いじめ、ネグレクト、ドラッグ売買、性的マイノリティなど社会派の要素はあるものの、これみよがしに問題提起してこないので重たさはそれほど感じなかった。

被写界深度の浅い映像、小刻みに揺れる画面、人物のクローズアップのみを追い背景を省略した映像など独特のカメラワークが印象的だった。最初はちょっと酔いそうになったけど、シャロンの不安定で内向的な人物像に深みが増して効果的だったと思う。

シャロンの多くを語らない繊細なキャラクターにぐっとくる。ケヴィンと2人でいるときも言葉少なめでじれったいのだけど、一緒にいるのが嬉しいのが伝わってきて涙腺ゆるむ。
ケヴィンがシャロンのために料理を振る舞うシーンもじーんときたし、シャロンの最後のセリフは涙腺大洪水。