ゴトウ

ムーンライトのゴトウのレビュー・感想・評価

ムーンライト(2016年製作の映画)
3.0
京都シネマにて鑑賞。前評判がすごく良かった(あまりにも美しい、とか私たちが映画を観る意味がここにある、とか)ので、少し遠い映画館まで足を伸ばして観に行きました。冒頭から薬物売買、使用の描写もあり、貧しい黒人が住む地域の救いのないリアルはよく伝わりました。主人公シャロンになにかと目をかける麻薬の売人、フアンがかっこよく、終始ムッとして何も言わないシャロンに対してもものすごく余裕というか、器の大きさを感じさせて良かったです。話としては、自らがゲイであるということ、母親はジャンキーであることからいじめを受けつつ、親としての義務を果たしていないのに、知ったような口ぶりで息子を束縛する母親にも怒りとも悲しみともつかない感情を鬱屈させて成長していく男の物語で、なにか大きな展開があるでもなく、わかりやすい示唆があるでもなく、ただただ淡々と事実だけを追っていくようなつくり。正直、絶賛されるほどの良さは自分にはわかりませんでした。センスや知識が足りていないのでしょうか。

追記
いろいろな映画評を読んだり観たりすると細かい見どころがたくさんある映画なのだなとわかりました。ある程度の教養が必要なのでしょうか。鑑賞後に思い返すと「あそこよかったな」「あれはああいうことだったのかな」というところも出てきて、不思議な映画でした。
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