yamachi

ムーンライトのyamachiのネタバレレビュー・内容・結末

ムーンライト(2016年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

世界でも”最下層”の地域に住む、黒人の男の子 シャロン。

学校でもイジメられ、家に帰っても薬中の母親の存在。

イジメられている理由は”ゲイ”であること。

「オカマって何?」とフアンに問うところを見ると、自分がゲイだとは気付いていない。

そんなシャロンに良くしてくれるフアンも母親に薬を売っている。

「ドアに背を向けるな、後ろから襲われるぞ」
子供にそう教えなくてはいけない治安の悪さ。

家に帰れば薬を買うために金を寄越せという母親。

もう何もかもがメチャクチャ。

「泣きすぎて自分が水滴になりそうだ」
そういう環境の中で ケヴィンが居てくれてどれだけ助かるか。

そんなケヴィンが仲間に言われてシャロンを殴る。
なんで。
倒れたら終わりなのに、立ち上がるシャロンもなんで。

でもこの事件をキッカケに、シャロンは変わった。

ケヴィンに裏切られる ってのは
最後の頼みの綱が無くなるのと同じで物凄く心に来たんだと思う。

1. Little 2.Chiron 3.Blackの3部構成。
なのに、1と2の転機であるフアンの死、2と3の転機である逮捕が
全く描かれていない。

こういう描写の仕方もあるんだなぁ...。
個人的にはフアンが好きだったからもう少し...
でも、想像に任せたのかな。

シャロンも薬の売人をやっているという事は、フアンとの過去は良い物だったんだという解釈でいいのかな??
それなら嬉しい。

母親が今更「愛してる」っていうのは都合が良すぎだろ。
「私の事は愛さなくていい、必要な時に愛を与えなかったから」

そんなのズルイよなぁ...。


月明かりに照らされると黒い肌が青く見える。
フアンの死、少年院に行って大きく変わったシャロンの人生。
また、シャロン自身。

一方で ケヴィンとの関係。

「売人をやっている」
どこかでケヴィンは自分のせいなんじゃないかと思ってるように感じた。

変わっていく物と変わらない物。
変わってしまう物、人の方が圧倒的に多いのが人生だと思うけど

「どうか変わらないで」と思えるものを大切にしようと思った。
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