ゆみゆみ

ムーンライトのゆみゆみのレビュー・感想・評価

ムーンライト(2016年製作の映画)
3.9
去年のアカデミー賞で「ラ・ラ・ランド」と作品賞の取り違い発表された作品。観終わって感じたのは、作品賞はやっぱり「ラ・ラ・ランド」だよ、という勝手な感想だった。
だけど、この作品は「ラ・ラ・ランド」のカラフルさに比べて、青一点の世界を情緒たっぷりに魅せてくれて、作品賞が二つあるとしたら、もう一つはこの作品しかないなとは思った。(何様w)

【あらすじ】
スラムの街でヤク付けの母親(ナオミ・ハリス)と暮らすシャロン(アレックス・R・ヒバート)は、同級生に「オカマ」と呼ばれいじめられ、逃げている時にフアン(マハーシャラ・アリ)と出会う。フアンは母親に薬を売る売人だった。そして唯一の友達ケヴィンとの友情と…

三部構成の今作は
1. リトル
2. シャロン
3. ブラック
に分かれていて、タイトルはそれぞれシャロンの少年期、青年期、大人になっての呼び名だ。青年期はアシュトン・サンダース、大人はトレヴァンテ・ローズが演じる。三人共に顔の雰囲気が似ているが、それ以上に表情や喋り方が同一人物だとわかるくらいよく演技されてて驚いた。特にトレヴァンテは同じ人⁉︎って思うくらい。

ジャケット写真が三人で出来てるって全然気付いてなかった!違和感なく一人だ。

シャロンがとにかく内気でその心を開けようと苦心するフアンとテレサ (ジャネール・モネイ)がとても優しい。心がジンワリ暖かくなる。

黒人、スラム、ゲイ…シャロンには差別や悪い環境が常にまとわりつく。ただその中でも変わらない気持ちがあった。

「月明かりに照らされると黒人の肌は青く見える、だから黒人はブルーだよ」

切ないなぁ。
青い月明かりの下、砂浜に並んで座る二人が美しい。そして月明かりに照らされて、自分の心の内側が素直に出てしまう。

タイトルは「ムーンライト」しかない。

ラストのシャロンの目がこの上なく優しくて愛に溢れていて、胸を鷲掴みにされた。シャロンを思い切り抱きしめたくなった。
純愛。
それしか浮かばない。