Saishan

ムーンライトのSaishanのネタバレレビュー・内容・結末

ムーンライト(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

(思ったことをとりあえずバーッと書いているので、後で修正加筆しようと思います)

こういうストーリーです!ここが一番見せ場だよ!というような映画ではないので、説明するのは中々難しい…。
でも、映像の美しさ、魅力的な登場人物、シャロンか生きている世界と彼の気持ちを少しずつ理解していく過程に興味が失われなかったので、あっという間の1時間50分だった。
これで、終わり?!早かったな…という印象。
全体的なテンポは淡々としているので、つまらないと思う人もいるだろうな、とも。

ゲイということでいじめられ、母親は麻薬中毒…という幼いころからヘビーな辛い思いをするシャロンだけど、テーマをそこにばかりフォーカスしている印象ではなかった。「彼が生まれた境遇がどれだけ辛いものなのか」「可哀想な男の子」「幸せになる道を探していく」という単純な終着点を辿るのではなかったのが飽きない理由だったと思う。

せっかちな人から、この映画は何を伝えたいのか?テーマはどこにあるのか?という質問が来た場合は、一言でなんと言うかの答えは自分の中に持ち合わせていないので(一言で言える人なんているんだろうか…)観ていない人に簡潔に伝えることは難しい。

子どもの頃に会った魅力的な大人、大嫌いだった大人や友だち、初恋の人、親との確執はどんな人もそれぞれの経験があるだろう。
日本の(おそらく)標準くらいの家庭で育った自分と、シャロンの境遇ははたから見るとかなり違うのだが、自分が今までに経験した幸福感や悲しみ、葛藤、閉塞感などを思い起こしながら、この映画を観ていたようにも思う。むしろ、シャロンの境遇がとても重いものだったために、自分の中で思い起こした感情は、異常に強調されたものになっていたような。
静かな映像を観ながら、湧き出てくる感情を追い続けていたので、そ全く終わりが予測できずにいた。
でも自分たちが生きている世界ってそうだよなあ、常に複雑な状況と感情で埋められて時間が過ぎていくよなあ、自分の人生の最低最高点とかクライマックスがどこかなんてわかるわけなんてないよなあ…。

テレサは、何かの映画で見たな…美人さんだよなあ〜って思ってたら、「ドリーム」の勝気な美人さんでした!(ドリームでもとっても素敵)
あと、学生時代に殴られてかけつけた警備員さん?の超長髪ドレッドが似合っててかっこよい…。
Saishan

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