MANA

ムーンライトのMANAのレビュー・感想・評価

ムーンライト(2016年製作の映画)
3.6
月光に照らされた彼らの、想う先。

三章に分かれて描かれる男の子、少年、そして青年となったひとりの人間の苦悩と葛藤。様々な社会問題を浮き彫りにしながら、シャロンやフアンがひたむきに自分と世界に向き合う、ブラピ製作指揮の映画。
※再記載

少年は青年となり、意思を貫いた。
それは一つの、イデオロギーとの戦いでもあっただろう。

「ムーンライト」の作品的意味は一応、作中で明らかとなります。
おおなるほどね!…とはならないのは、彼らの世界と私の世界が文化的に違うからかなぁ。
子供が親や環境によって考え方が形成されていくように、文化ってつくづく民族単位で意識を形成していく気がする。

観終えたあとのモヤモヤ感が強く、まるで小説を読んでいるかのように静かな展開。
だけど、画面の中で社会問題や自分自身に向き合う彼らの姿は鮮烈に、美しく描かれている。

私には月光でさえ眩しいな。
彼らのような強さを、私は持っていない。


オタクのぼやき:
人種問題、ドラッグ、LGBT、貧困……
社会問題って数えきれないほどある。
でもそのほとんどって、結局は人間関係やら価値観の相違やら、「人間」が原因に違いない。
結局は相手を尊重できるかできないか、したいかしたくないか、するかしないかの問題だ。

体や人生を壊すようなものは尊重という概念抜きで「それはダメでしょ!」ってなるけど(ドラックや犯罪など)、LGBTって言うほど毛嫌いすることかな?

俺は男が好き、私は女が好き、どちらも好き。
別によくない?人に迷惑かけてないし、犯罪でもないし。むしろ人と違う選択肢を選べる立場にあることがカッコいいなと思う。
私自身、性別に対して何の感情もないので、言われたことないけどもし女性から熱烈アピールされたら「あーうんいいよー」とか言いそう。
……あれ?バイセクシャル?

男性も女性もどっちもいいところあっていいよね。男性は筋肉の凹凸が素敵だし、女性は言わずもがな。

いろんな人間がいるからこそ尊重は大切。
けれど尊重とは受け入れ合うことだし、宗教的理由や生理的理由でそれができない時もある。
男女が付き合い結婚するのが「当然」だから、「多数」だから、「普通」だからという理由を挙げる人もいる。でもその基準は誰が作ったの?何が根拠になっているの?

だからこそ人間関係とは難しい。
時と場合によって立場も考え方もくるりと180度変わる。高齢者と若者、上司と部下、親と子供、男と女。
時に血の繋がりという絶対的な関係性さえも瓦解することがあるのが人間関係というやつだ。

ただ一つ言いたいのは、"もっと寛容な世の中であろうよ"ってこと。
人に迷惑かからなきゃ、少なくとも日本は幸福を追求できる権利があるのだから。
MANA

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