テーマが日本向けじゃないと思われそうやけど、実はめちゃめちゃ日本人にマッチする作品なんじゃないかと思う。
会話の間や声の大きさ、アンビエントの音が邦画のそれにすごく似ているような気がする。
それに差し色ブルーをキレイに観せる演出も相まって、途中、武ちゃんの映画を観てるような感覚になりました。
よく見ると、登場人物の家にはすべからく扇子とか絵とかジャポニズムなインテリアがあって、その辺にも日本リスペクトを勘ぐってしまいます。
会話の内容は全てを語らず含みを持たせるような言い回しが多くて、しっかり登場人物の立場になって考えないと会話の主旨が汲み取れないフイルム。
この類の洋画を観てるとやっぱり言葉とか文化の違いで、自分が汲み取ったものと本来の主旨はズレてるんじゃないかと不安を感じながら進んでいくことが多いんやけど、この作品は多分自分の思った通りで合ってるやろっていう自信みたいなものが、他の洋画に比べて（つまり邦画並みに）多かったようにも感じた。
3部構成なのもオシャレで、映像もキレイで、セリフや表情もいい。ドラマチックでありながら錯覚のおかげで安心して観ることもできた。
ブルーが最後の方で死んで泣き泣きのストーリーかなと思ってたら、2部が始まった時点で既におらんくなってて、それがめっちゃ潔くて一気に好感が持てました。この舞台とテーマで発砲シーンが全くないのも新鮮で良かったし、かなり満足度の高い作品でした。
長いレビューも書いてみたかった。
