海辺
私の大好きなララランドがアカデミー賞を逃し、その代わりに受賞されたのがこのムーンライトだった。
ララランドは何回も観ているものの、ムーンライトは近くのレンタルビデオ店で扱っていないため、ずっと観てこなかった。
U-NEXTに無料体験で加入したところ、ムーンライトが観れるとのことだったので鑑賞しました。
本作が評価されたのには、まず俳優陣の素晴らしい演技が挙げられると思う。
マハーシャラ・アリに至っては、前半にしか登場しないのに、その存在感と演技力で助演男優賞にも輝いている。
そして今作は3つのパートに分かれていて、1人の人物を「シャロン」を3人の人物が演じている。
私はこの3人を観て同一人物なんじゃなかろうかと思ってしまった。
歩き方や話し方、クセ、瞳の奥に潜む何か…などがものすごく似ている。もちろんこれも演技なのだが、演技という枠をとびこえて3人が「シャロン」そのものだった。
というわけで、この映画のポスターは個人的に百点満点の出来栄え✨
そして、ストーリーもアカデミー賞が好きそうな(?)感じ。
人種関連について敏感なアメリカ。グラミー賞もですが、ノミネートされた俳優が白人ばかりでバッシングを食らうなんてことも多々あり…
そんななかで黒人に焦点を当てた本作は、ララランドよりも社会的で有利だったのかもしれません。
ただただ美しい描写に、一つ一つの言葉が突き刺さる。
一見静かな映画だが、この映画が持つメッセージ性やセリフの数々が持つエネルギーは計り知れないほど大きいものだった。
とくに“ムーンライト”なシーンは素敵だった。
月明かりの下で互いの心が重なる。
こんなにリアリティで幻想的なシーンは初めてなのかもしれない。
ラストには思わず涙が。
月明かりがこんなにも甘くて切ないとは考えもしなかった。
社会風刺もしつつ、すごく綺麗なシーンが沢山ある良作でした。
パートが分かれているので、この類の映画としては非常にとっつきやすいかなと思います。