ReiNakanishi

ムーンライトのReiNakanishiのレビュー・感想・評価

ムーンライト(2016年製作の映画)
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人間のセンシティブな問題について扱う映画、こういう自分の弱い面に直面したことがある人ほど素直にくらう映画だと思う。



弱い心から何かに振り回されて、社会の大きな流れに流され、時には圧倒的な力に酔ってしまい、我を忘れる事がある。

どんな成長や経験でも、ふと自分の原点やシンプルな気持ちに立ち返る時、偏見や社会的な物の見方を除外したそれに本当の意味や、素直な初心に近い何かに自分の答えを感じざるおえない。

大筋については書いてないが、
以下、ネタバレ注意かもしれない。


最後の幼少期のシャロンのシーンにはそんな何にも染まっていない素直さ、純粋さを感じた。



シャロンが血まみれの顔を洗っていじめっ子をぶっ倒すシーンから一気に成長した場面に切り替わる。だがシャロンの格好にはかつてのフワンの面影がどこかちらつく。ドゥーラグや金歯、高級車で弱さは隠れたのかもしれないが久しくあったケヴィンにその重い鎧をいちまいづつ剥がされているような感じが第3章から取れる。
プッシャーとしてガッツリ働く自信ありげな前のシーンとは裏腹にケヴィンにはうつむく癖、治ってねぇなとまでつっこまれてしまう。
ケヴィンが料理をしている時のシーンに何かクライマックス的な物を感じてしまった(ただでさえ淡々と続く映画なので)


最後のシーンで
ケヴィンに言われる、覚えているか?という問いに
忘れようとしていた。
という変わりきったシャロンの口から出る言葉には、振り返らずに過去の自分を切り離しここまで走りきったシャロンの想いが垣間見える。

自分の得た感覚、経験は手放すことは出来ず、それを抱えたまま前に進んで成長するということでしか拭えないのかもしれない。私はそんな気持ちを抱いてしまった。

だが初心には戻る事は出来る。あの時の自分を忘れずにいる事がもう一度、愛を知るきっかけなのかもしれない。



映像が綺麗なのと、カメラワークが良い。す