やすだ

ムーンライトのやすだのネタバレレビュー・内容・結末

ムーンライト(2016年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

照明や自然光と黒人ならではの肌の質感を巧みにつかい、めっちゃくちゃカッコいい撮り方をしています。黒人がこんなにカッコよく撮れてる映画は他に知りません。
また、差別主義者の白人vs善良な黒人というステレオタイプな組み合わせでもありません。
黒人同士でもいじめも差別もあるんだよ、と教えてくれているように感じました。


ひとりの不幸な男の人生を覗き見しているような映画です。
山場という山場はとくになく、同じテンションでストーリーは進んで行きます。

多くは語られないため、解釈は見る側に託されていますが
私は単純なゲイ男性のラブストーリーには見えませんでした。

同性愛のゲイというよりも、もう少し複雑なデミセクシュアル(性別関係なく深い絆を築いた相手に対して性的な欲求を抱く)的な要素が強いと感じました。
単に同性愛なら、親友以外の人間と深い仲にならなかったことに違和感を覚えます。

虐待を繰り返す薬物中毒者の母親には、大人になってからこれまでの行いについて懺悔されますが、これも単に母親の自己満足でしかないでしょう。
夜遅くだろうとお構いなしに何度も電話し、会いに来た主人公に対して涙ながらに謝罪する。
「母親は改心してるよ!めでたしめでたし!」という感じではないです。
私は見ていて「え?今さら何なの?」と思いました。
そしてそれは親友からの突然の電話に対しても同じ思いです。
謝る側はいつも自己満足なのです。

結局、主人公は「自分の人生を自分で決める」ことは出来なかったのではないでしょうか。
観た後になんだかモヤモヤとした後味が残る映画でした。