このレビューはネタバレを含みます
いじめ、薬物、貧困、同性愛。
現代社会で問題にされていることに焦点を当てているけど、深く切り込むことはせず、極端に深刻な描写がある訳では無い。
フアンの死や、少年院での生活。
彼の人生の岐路となる事件に敢えて触れずに空白にすることで、起伏がなく淡々とした今の現実だけがこちらに突きつけられる。
それにより孤独感が彼独自の物ではなく、普遍的なものとして迫ってくる感じがあった。
印象的だったのは青年期の姿。
筋骨隆々となり、アクセサリーや金歯、高級車を乗り回す姿。
内面の弱みを悟らせないために纏った虚勢という鎧。そのギャップが哀しげで空虚だった。
色々と感じるものは確かにあった。
ただそういう演出のため映画として正直退屈なのも否めなかった。
好きなシーン。
リトルから売人をやっているのかを問われ静かに肯定する時のフアンのなんとも言えない表情。