創

昼顔の創のネタバレレビュー・内容・結末

昼顔(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ドラマは見てなかったけど、3人のキャラがわりと早いうちに把握できるので分かりやすい。

この子こんな可愛いのにすげー本能に忠実。
この人見た目かっこいいのになんかダサい。
この奥さん敵に回したらあかんタイプやん。

みたいな。

不倫というのは、結婚が前提にあり、
結婚というのは、婚姻届を提出した前提があり、
婚姻届というのは、お互いを未来永劫伴侶とする。という合意が前提にある。

愛だの恋だのだけ取り出すと、
ワクワクしたりキュンキュンしたり、
ドキドキしたりイライラしたり、
わりと楽しいものだけど、
そこに他者を伴侶とする事に合意した事実があると、一気にホラーになるのね。

河原で北野先生を見つけて、声を掛けるのやめてずっと見ちゃうのとか、
黙って並んで座ってるだけなのに楽しくてしょうがない感じとか、
上戸彩がものすごくかわいいのだけど、かわいいからってなんでも許される訳ではないのだな。

たかが紙一枚の婚姻届がどれだけ重いことか。

どれだけ愛し合っていようが、信頼し合っていようが、
本人たちが強い強い絆を感じていようが、
婚姻届の前ではそんなのなにひとつ意味はない。

不倫された側のひとつの理想のような終わり方がすごく良かった。
遺体に会うこと、遺品に触れることはできてもそれでおしまいだよね。

送り出してあげることも、一緒のお墓に入ることも、遺産を相続することも、
誰かと悲しみを分かち合うことも、思い出を語り合うことも、
知らなかった相手の顔を知ることも、残された秘密を知ることも、なにもできないじゃない。

死んだ側だって、相手に何も残せない。

結婚の重みを放棄した結果としては当然のようにも思える。

思えるけど、死ななくても良かったような…。

最後の上戸彩を見ているのが辛すぎて、でも逃げ出すことはできないからじっくり観てしまった。
引き込まれているうちに重大な事実がナレーションで告げられるという斬新な終わり方だったわ。


私も結婚してるので、夫が不倫して別れる事になって、
不倫相手の女にあんな事言われたらああなるのかもしれない。

本当、なんで奥さんじゃダメだったんだろ。
創