戒めの一本。
ドラマは一切 観ていません。
映画だけを観た私の主観です。
観る前から衝撃のラストは知っていました。観た人の心のざわつきが、ドラマも観ていなかった私の心を動かし、調べたい衝動に駆られたからです。
冒頭は 何故この男はそもそも離婚しないのか?(ドラマを観ていないので 背景もよく分からない) としか思わない程、惹かれ合う二人の行く末に見入ってしまいました。
が……それも束の間… 妻の苦しみが見えた瞬間から自分の心境が一変した。
もう綺麗には思えなかった。
上戸彩は ギリギリな距離感と間、翻弄するのが上手いもんだから、女性からしたら わざとらしくあざとく見えても、それは男性にとっては無邪気さに変わり 魅力になるのだと 複雑な気持ちになりました。
嫉妬に歪む 妻の顔。
「結局私が悪者になってる!
何にも悪い事してないのに…!」
この悲痛な叫びで、やはり不倫は計り知れない程に人を傷付けるのだと思い知らされました。
ドラマではきっと、紗和の旦那さんの傷みも観れたのでしょうか…。
過去を抱えるオーナーも、妻を一発殴ってやれば良かった… と。
本当にその通りです。
女性に手をあげるなんて普通じゃ許せませんが、殴ってやれば良かったんです。
映画が終わった瞬間、言葉を失った。
時が止まったような感覚… 何故だか紗和に感情移入し、泣いていました。
紗和には幸せになって欲しかったとも思うけど、奪っておいて今後も元夫を名前で呼んでよいか?という問いに対し、きっぱりと断ったシーンは、そりゃ嫌のは分かるけど、そもそも既婚者だし…とそこに身勝手さを感じたし、妻の立場だったら憎んでも憎みきれないなと。
奥さんが決意をしたのは名前を呼んだ瞬間だったと思うので、、ハッと どうして私だけが??って気持ちと、でもこれ以上すがって嫌われたくない、綺麗なまま別れたい。でも嫌だ好きなのに取られたくないという気持ちが葛藤したように思えて、ここで思考が止まりました。…絶対に不倫なんかで幸せにはなれないんだと。
心が張り裂けそうになるのは、きっと登場人物全ての立場からの傷みや苦しみが手に取るようにわかるからだろうか…。
多分誰も責められない。
誰にだってなりうるから。
お店のお姉さんの言葉、
女は 自分が出来なかった事をやった女が 一番嫌いなの!
はい。本当にその通りです。それが全てと言っても過言ではありません。女ってものはそうです。少なくとも 私は。ぐうの音も出ません。女心が分からないならそれだけでも覚えておくといいと思います。
私は この言葉が一番突き刺さりました。
題材とは関係なく自分の心にです。
ましてや不倫で、自分の最愛な人を奪われた時、気持ちが自分にないと分かった時、誰が快く送り出せるもんか。そんな人居たら、神様か仏様だと思う。
紗和が発した、
自分が裏切ったことがあると、相手の事信じられないのよ!
これも心がエグられる思いになりました。本当に本当にその通り。
やるやらないは別にして、自分にその発想がなければ、浮かばないはずなんです。疑いって。疑心暗鬼になるのは、どこかで自分の心に突っかかりがあるから。つまり自分にもそういう心が少しでもあるからなんだと思います。
ドラマを観てみたいとは思わないけど、この映画は観て良かったと思います。
人の不幸の上に成り立つ幸せは、
必ず 壊れる。掴み取っても疑念は一生持ち続ける。誰かの苦しみの涙がまた悲劇を生む。もしくはバチが当たる。
一番怖いのは 人の想いなんだと、
また一つ勉強になりました。
辛かった。