シネマスナイパーF

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章のシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

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フィルマークスのレビュー数では同時期公開の銀魂に1万票近く差をつけられ、このレビューを投稿する時にはもうほとんどの公開館で朝早い回か夜の回しかやっていない
オイオイちょっと冷たすぎやしませんか?
僕としては銀魂より全然よかったと思いますよ

銀魂よりも、実写映画化してたと思います
銀魂は実写映像化的な感じでした個人的な感想として
ただ、原作の持ち味を活かせていたのは、やっぱり銀魂でしたかね、とは思います


ジョジョは割と劇画的な雰囲気のイメージがあり、印象的な決め絵や立ち絵が多い
それでいて躍動感も溢れ出ているので、動かすにはもってこいだし、映画として楽しめる要素は詰まっていると思います
それでいてこの漫画ならではのクセがあまりに強すぎるので、実際に人が演じると目も当てられないだろうという危惧も当然あったわけです
それでもとりあえず4部を選んだことは正解でしょう


まず結論として、そこんとこのバランスは悪くないんじゃないでしょうか?
悪く言えばバランス全振りで正直面白味には欠けているかなというのは事実
悪くない、とはいうものの、かなり危ないラインで、舞台の杜王町からして、「この町、何かがおかしい」とか言われるまでもなくおかしくて、そりゃ当然で、誰がどう見ても日本には見えませんわ
でも、この「どう見てもおかしい感」を、とりあえず手っ取り早く簡単に出すためにとりあえず日本を飛び出すという選択は、そこまで間違ってはいないと思います
それから、ジョジョしすぎない、やりすぎない勇気ってのも大事だと思うんですよ
どちらかといえば再現しなければならない作品だということはわかります、けど、僕は、世界観とか舞台よりも人物のクセの方が強すぎだと思ってて、そこんとこもヘタにジョジョ立ちさせて失笑買ったりするよりは上手くバランスとれてたのではないでしょうかね
ただ岩が喋るぐらいはやってもよかったんじゃないですかねー…殺さないと言った→実際死んではいない、というフォローにもなるし
実際登場人物の作り込みはいい線いってたと僕は思いますよ
コスプレ感丸出しぐらいの方がこの場合ちょうどよくね?俳優陣は概ねいい仕事できたのではないでしょうか
ちょっと山崎さん棒かなとは思いましたが、あの髪型で長い学ラン着て胡座かきながらゲームしている姿が様になっていたので合格!

スタンドは文句なしでしょう
前情報でもっと出しといてもよかったんじゃないかってぐらい出来がよかった
エコーズの能力をどう表現していくかが非常に楽しみです
立禁止もニヤニヤものでした

あとどうでもいい部分ですが、バッド・カンパニーで蜂の巣にされた虹村家の壁に光が差している様子が神々しくてとても好みな画でした
それから、康一がスタンド使いになったことが判明するシーンもよかった

難点として、とにかく淡白なんですが、その割には情報不足で進んでいってしまう
原作を知っていれば問題ないレベルですが、ということは原作知らない人は置いていかれそうだということです
虹村父の設定はどう処理するのか
ジョジョの持ち味が若干ではありますが殺されている部分がある以上物足りなさを感じる人もいるかもしれません
警官の祖父のエピソードを入念に描いたことは、ひとつの映画として、これから続いていくことを前提として、テーマ付けのために大正解だったと思いますし、アンジェロにつけられた最初の殺人の設定と形兆との食事シーンも活きていた
ただやっぱり後半やたら突っ立っての台詞が増える、これはいただけない
なーんか無駄に長く感じる原因は説明台詞がテンポを遅くしているってことなんでしょうね
説明台詞が多いのは原作がそうだ、っていう部分もあるとは思いますが、そこは映画的になんとかすべきところだし、それでも足りてない部分もあるし
「あ、仗助くん」とか、怪我人と敵は無視な会話シーンとか、あーあってところも少なくないです


総じて、優等生だなって感じでした
熱心なマニアが作ったものとは違う、そこそこ勉強した人が真面目に作ったような作品で、それはそれで好感を持ちました
もちろん、岡田将生さんのような、本気で好きな人が演じて素晴らしい結果を生んでいる部分もありましたね
小松菜奈さんは今回二日間しか撮影に参加しなかったらしいので、次回作が作られるのなら期待
吉良吉影は静かに暮らしたいキャラじゃなくなっちまってんじゃないかなぁとか露伴先生出んのかなぁ出ないのかなぁとかそういうところでくすぐられて、次回作も是非観るゾォと思わせてくれるぐらいには、よかったですよ!
コケて次は無いとかナシね!