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悪魔の呪い/悪魔の夜のmingoのレビュー・感想・評価

悪魔の呪い/悪魔の夜(1957年製作の映画)
4.2
昨年の中原昌也への白紙委任状初日作品、ジャックターナーによる偉大なる傑作怪奇フィルム。冒頭に怪獣のような悪魔をはっきりと登場させておきながら唯一の目撃者が死んでしまうという展開に胸が高鳴る。今日の「男の傷」が滑稽さと悲哀さのバランスがとれてたのに対し、疑惑と幻想と恐怖のバランスが抜群に素晴らしい。基本的にはスリラーもののくせにラストに向かうにつれ恐怖だけではない可笑しさなども込み上げてくるからターナーは凄い。イギリス後期の作品のくせに衰え知らずなんなら面白さだけではなく芸術作品としても一級品。受け取ったら三日後に死ぬ羊皮紙はもちろんリングなんかでもお馴染みのモチーフ。悪魔はいるんだよ、という気にさせてくれる大傑作。

以下クリスフジワラトークメモ

ターナーは49年にRKOをさって、私の冠の星を撮った。ギャラを減らしてまで撮りたかった映画。
その後ハリウッドで冒険映画で二本撮って、その後悪魔の夜を撮った。60.70年代はテレビ作品を撮っている、プロデューサーの第1作がこれ。マークロブロンのロバートワイズ。セットは007とか博士の異常な愛情のひと。コロンビアはかなしみにこんにちはなどをイギリスで撮影している。プレミンジャーの作品もしかり。ダナーアンドリュースが幸運だったのは普通すぎる容姿と謎の内面、3本組んでる。ターナーの数少ない個人的な友人。自分も他人もコントロールできる立場に自分を置く。
ハマーフィルムのフランケシュタインと二本立てだった。それらとは一線を画して意図は悪魔をみせないこと。すべて撮り終えたあとに悪魔を撮って編集。
カーズウェルをドナルド・トランプとしても観れる。権力は魔力でもある。戦争を作り上げる。証拠をねつ造する。
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