アラバン

女神の見えざる手のアラバンのレビュー・感想・評価

女神の見えざる手(2016年製作の映画)
3.9
名を成した人物の多くが犯罪嗜好のないサイコパスだったという話がありますが、主人公のエリザベスはまさにそのタイプです。

さらに三大欲求全てを出鱈目に処理するほど破滅的で壊れた女性であり、そのグラグラした不安定さをスーパーキャリアウーマンの鋼鉄のような外殻で覆い隠している感じを完璧に演じたジェシカチャステインさんは見事としか言えません。


彼女が法案に強行に反対する理由は語られませんが、過去に起こった出来事に起因していることは会話の断片や佇まいからなんとなく推察できます。

聴聞会を開かせるために彼女が取った策は犠牲が大きすぎる悪手に思えたし、あれほどの自己犠牲の精神があるとも思えないので、あの犠牲は自分を救いだすために必要な手立てであったのかなと。。

社会的なテーマを前面に出しつつも、最後は壊れた女性の復讐と禊と再生というパーソナルな物語に収斂したように思えました。
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