グラッデン

女神の見えざる手のグラッデンのレビュー・感想・評価

女神の見えざる手(2016年製作の映画)
4.0
銃規制法案を巡るロビイストを描いた映画。

日本の公開直前、アメリカで銃乱射事件が発生したことから非常にタイムリーな題材になったと思います。全編を通じて台詞等による説明は多くないのですが、逆にアメリカ社会が抱える課題と地続きであることを強く印象付けられます。

特に、マイケル・ムーア監督の『ボウリング・フォー・コロンバイン』等で取り上げられた、全米ライフル協会(NRA)や合衆国憲法修正第2条が強い存在感を示している構図は社会的背景を上手く物語の中で織り込んでいたと思いました。

また、主人公のスローンについて、高い能力が求められるロビイストの世界で、男顔負けの行動力や過激な言動を武器に結果を残す姿と、才能のある人物だからこそ見せる周囲との感覚のズレ、あるいは奥底に抱える孤独といった側面を上手く描いていたと思います。

リアリティを損ねる印象も受けますが、ロビイストによる駆け引きと逆転の連続に加えて、スローンの強烈なキャラクターはドラマとして面白かったです。米国版『半沢直樹』とでも言うべきか (汗)