成川ジロー

女神の見えざる手の成川ジローのレビュー・感想・評価

女神の見えざる手(2016年製作の映画)
4.4
痺れた。

彼女の生き方が格好良すぎる。
ミス・スローンは自分が小さい頃から、今も、そしておそらくこれからも、成れないことを知りつつも憧れ続けている理想の英雄超人の姿。
もはや其れはヒトにあらず。と周囲の人からは理解を得られず同じ陣営側からも恐れられるようなレベルに達している。演じきったジェシカ・チャンスティンは凄い。
クライマックスに現れたエスメのあの顔。「やっぱりあなたは違う」と決別したように感じた。そしてそんな人と違う自分をわかっていておそらく嫌悪しながらも勝ち続けてしまうスローンの顔。やばかった。
誰よりも真摯なんだよな本当に。超人。
エスコートの男フォードとの関係も凄い良かった。あの時間だけ割り切れて人としての生を楽しめてるのかもしれない。それにしてもフォードがイケメン過ぎる。思わず拳を握り締めた。

雇い主のロドルフォやチームの面々、敵側として残った右腕のジェーンとかエスコートのフォードなど、皆キャラが立っていて見ていて飽きない。戦略会議とか、一個一個反論を出していって潰していくところとか、地味な画なのに凄い面白かった。『シン・ゴジラ』的な面白さだったかも。

エンディングで誰かが迎えに来ていたように見えた。
ジェーンかな。

傑作。
成川ジロー

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