YUKi

女神の見えざる手のYUKiのレビュー・感想・評価

女神の見えざる手(2016年製作の映画)
4.0
ほとんど知識のなかった“ロビイスト”という、
活動の予測が全くできないロビイングを
フルスピードな会話劇で進行させる、
冷酷なゲームのような政治活動に
終始心拍数が上がったまま。

手汗止まらないし、精神的には
サスペンスどころかスリラーレベルでした。

この作品のロビー活動の主軸は
銃規制について。

最近もラスベガスで銃乱射事件により
26人もの人が死亡していて、
ついに銃社会=アメリカという
イメージすら、こういった活動によって
払拭されていくのでしょうか。

主人公エリザベス・スローンのインテリジェンスと
自己犠牲をものともしない、高すぎるプロ意識には
リスペクト通り越して恐怖すら感じた。 ‥狂ってる。

窮地に立たされたと思いきや
常に次の手を打ってあり、
チームかと思いきや諜報員が混ざっていたり
逆に諜報員を仕込んだり。

とにかく引き込まれっぱなしの
巻き込まれっぱなしで、もう爽快!
っていうくらいの疾走感だったのですが、
ラスト‥‥密偵‥あそこまでやるんだ‥。

スローンの仕掛ける、 勝つための手段には
何度も驚愕してきましたが、
更にとんでもない苦肉の決断を
目の当たりにしたとき、 信念とは正義とは‥と
混乱に混乱が重なりただただ泣けた。

逆説的に、銃規制に意味はあるのか
という問いかけも投げかけられてきますが、
ロビイストも規制される存在であり、
銃すらも人を殺しもできるし救いもできる。

そんな呼吸もできないような環境の中で
ああいった判断を下し行動を起こすことに
何度も震撼させられました。

「フグ・シェフ!」
YUKi

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