原題は主人公の名前「Miss Sloan」とシンプル。
邦題はアダム・スミスの「神の見えざる手」をもじったタイトル。
え、メインストーリーにその理論関係なくないですか?
でもめちゃくちゃ見応えのある作品だった。
大いなる野心と、勝つためなら手段を選ばない鉄面皮女史スローン。
ロビイストとして多くの政治家からも一目置かれる存在にと同時に恐れられてもいる。
今度のチャレンジは、銃規制強化法案。
しかし立ちはだかるのは全米でもかなりの力を持つ銃擁護派の政治家と団体、そして彼女のかつての同僚たち。
ここ最近強い女性が活躍する映画が多かったけど、これは違った意味で強い。
相手の気持ちはお構い無しに利用出来るものは何でも利用する。
それでいて観てるこちら側が彼女を心底クズだと思えないのは、自分自身にも平等に厳しいから。
睡眠もお金も家庭的な幸せすらも犠牲にしてきたからこそ、他人にもそれを要求してしまう。
そんな彼女が初めて直面する困難な状況。
そこで見せる苦悩はどこまでが本当で、どこまでが計算なのか。
ジェシカ・チャスティンのミス・スローンそのものに成りきった演技が素晴らしい。
そしていぶし銀の演技を見せるマーク・ストロングの存在感!
ロック様やステイサムの影に隠れがちだけど、彼も立派なハゲ俳優。
次のワイスピシリーズ出演を熱望します!!
スローンを支えるスタッフ達もどこかで観たことあるなくらいの俳優さん達ばかりだけど、それぞれ個性が出てて好演。
社会派ドラマや社会派サスペンスが好きなら観るべき一本。