さよこ

女神の見えざる手のさよこのレビュー・感想・評価

女神の見えざる手(2016年製作の映画)
5.0
【クセになる気持ちよさ。】

超凄腕キャリアウーマンが、アメリカの銃規制法案をかけて元職場を敵に回す話。

久しぶりに映画で「(主人公の策略に)やられたー!」て思い、ラストのクライマックスにかけてはガッツポーズして「ブラボー!」て盛大な拍手を送りたくなる作品に出会った。これはもう気持ちよすぎてハイになる。もう一度最初から観たい、いや何度でも観たい!!

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主人公は「キャリアウーマン」の一言では片付けられないくらい、仕事の成果に対して常軌を逸したな執着をみせる。勝手に自分で自分を追い込んでいく。物語で詳細は語られていないが、きっと幼少期によっぽど「自分の存在」を無条件で愛せない何かがあったんだろう。そういう壊れた心を見え隠れさせる演出も好き。

「目標達成=自分の生きる価値」の概念は彼女の信念でもある。自身のプライオリティは、達成≫モラル≫仲間であることを隠そうともしない。

もうね、オープニングの打ち合わせシーンも早口で理論的に部下や同僚を次々と論破していくから「え、ソーシャルネットワークのリメイクかしら?」て思ったほど。

彼女の印象的な台詞は、泣きじゃくる部下に「あたしの仕事は、ミッションを達成をすることであり、あなたの感情や人生に責任を負うのは職務に含まれていない」と言い放ち「(そんな感情論に興味ないから)さっさと準備しなさい」と命ずる場面。つ…強すぎる。

完璧主義で、高慢で威圧的。かといって真面目でもなく、モラルを飛ばして常軌を逸した手段に出る。これを「ビッチ(嫌な女)」ととるか「クール(格好良い)」ととるかは観る人次第。加えて、スタイル良くて美人でお洒落で勉強熱心、て…どんだけ完璧主義の負けず嫌いやねん(´・ω・`)あたしは割とこういう人好きだけど。

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彼女の有能さがK点を超えてるから、最後には「はぁぁ!そうだよ、最初から彼女はそう言ってたよ!」て、のたうち回ること間違いなし。彼女の今までのあれもこれもそれも、全部彼女が考えた末での行動だったんだよ。映画館で前の席に座ってた男の人なんて小さい声で「よっしゃ」て呟いたもん。

彼女ほどの知性ですもの、この事件の発端、中盤、ラストで彼女の印象が変わっていくのもきっと計算のうちなんだと思う。

ちなみに脚本を書いたのは、元弁護士。今回の作品が初脚本だそう。ぜひ次はバチバチの法廷映画を書いてほしい!
さよこ

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