恭介

女神の見えざる手の恭介のレビュー・感想・評価

女神の見えざる手(2016年製作の映画)
4.3
ジェシカ・チャステインと
マーク・ストロング

個人的にお気に入り俳優のこの2人が並んで圧巻の演技を魅せているだけでも
観る価値あり。

ロビー活動や合衆国憲法など
全く知識がなくても全然大丈夫。
最初から最後まで、目が離せない
展開に画面に釘付け状態。

ジェシカの考え、行動がどこまで
計算されたものなのか、どこまでが
イレギュラーなのか?
一緒に働いているスタッフはこりゃ
大変だ(笑)
しかし、彼女について行ったその先に
普通じゃ味わう事が出来ない達成感が
待っていると信じさせるものが
あるから、やっていけるんだろう。

こんな上司になりたい、と思う反面
彼女がそれと引き換えに犠牲?に
している面もちゃんと描写し、それすら
物語のアクセントに使っている脚本も
秀逸。いや、犠牲なんて陳腐な考えは
持ってないだろうな、彼女なら。

しかし、なかなか読めないとこが
何箇所か。このどちらとも取れる
行動が巧妙で、観てる私達を
ミスリードしてる、ように思わせている
脚本がほんと素晴らしい。


以下、ネタバレあり。



終盤、ある男性の前で溢れる感情を
抑えきれなくなるシーン。

これも計算のウチなんだろうなぁ(笑)
彼が公衆の面前で話し掛けてきた
時点で、いつかは敵が嗅ぎつけて
利用してくると踏んで、先に彼の感情に
訴えかける演技だったのか?
なら、聴聞会でとった彼の行動を
見て、腹の中でガッツポーズしてたはず
(笑)

また、1人、机の上のものをぶち撒けて
感情を爆発させるシーン。
これが中々、読めなかった。
出来れば最後の切り札は使いたくなかった
が、いよいよ使わざるおえなくなった
事への、彼女なりの苛立ちなのか?
直前の電話の意味は?最後の大勝負の
サイン?出ると思わなかった?

わかんねーっ(笑)

とにかく、観てるこちらも敵と同じく
彼女に撹乱させられてグイグイ
のめり込んでしまう。
しかし、最後には観客としての
立場に戻って爽快感を味わえる
なんともニクいオチ。

そして、出所するラスト。
誰が来てたんだよ?
最後まで妄想させるなーっ(笑)

てな訳で、ジェシカに全員
振り回される映画でした(笑)
恭介

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