良いものを観ました。
巨大利権の銃業界というモンスターに単身挑むモンスター・ロビースト。「インターステラー」のジェシカ・チャスティンがクールでミステリアスな主人公を見事に演じました。
勝利への飽くなき執念はどこから来ているのか、謎ですが凄まじいばかりの情念が感じられます。
夜も眠らず、私生活もなく、愛嬌もなく、友もいない。カネや名誉もいらない。
そんな彼女ですが忠実なスパイとして尽くしたジェーンと男娼のフォードの心だけは掴んだようでした(フォードもリズの仕掛けなのかも)。出所した彼女の視線の先には誰がいたんでしょうか(万引き家族っぽい)。
アメリカは本当に狂った国だと思わされるが、銃業界を批判するこれだけの映画が公開されるという素晴らしい国とも言えます。日本だったら忖度でしょうw。
ハリウッド映画の中では政官とビッグビジネス=巨悪、警察=腐敗、マスコミ=視聴者の劣情を煽るアジテイターというのがステレオ・タイプです。日本とはだいぶ違いますね。
ロビイストという政治信条ではなく金で転ぶ凄まじい業界も露わにされています。
脚本が素晴らしいです。観終わった後でもリズは完璧に謎の女性のまま。
「ドライブ」のライアン・ゴスリングのように一種の天才サイコで生い立ち不明。「続編が観たいがやっぱりなくて良い」系映画(そんなカテゴリーはあるのかw)です。
脇も、キングスマンやイミテーション・ゲームのマーク・ストロング、シェイプ・オブ・ウォーターのマイケル・スターバーグなど楽しいです。