ずどこんちょ

女神の見えざる手のずどこんちょのレビュー・感想・評価

女神の見えざる手(2016年製作の映画)
3.5
ロビイスト、日本ではあまり馴染みのない職業なのに公民や政治経済の授業で当時、言葉だけ習っていました。言葉や意味だけ知ってても何の意味もないですよね。
時を経て、この映画を見てようやくイメージが湧きました。そういう意味で勉強になりましたよ。

銃規制強化法案の是非をめぐり、2つのロビー会社の激しい攻防戦が繰り広げられます。ジェシカ・チャスティン演じるスローンはバリバリの敏腕ロビイストで、倫理や規定上ギリギリアウトな手段も駆使して暗躍しています。
『女神の見えざる手』とは良い邦題をつけました。まさにその通りで、すべてはスローンの何手も先読みした予見通りに事が運んでいくのです。
我々も議員も世論も彼女の先手を打った策略にはまって振り回されているだけ。
嘘の得意な天才が、自らの才能を全力で発揮した場合、おそらくスローンのようにたった一人で国政を動かすこともできるのでしょう。考えれば考えるほどゾッとする話です。