鍋レモン

薔薇は死んだの鍋レモンのレビュー・感想・評価

薔薇は死んだ(2015年製作の映画)
3.5
⚪概要とあらすじ
綿密な脚本、流麗なカメラ、豪華な美術、圧倒的な女優陣の魅力で描いたエロティック・サスペンス。

美貌と高い教養を備え、王侯貴族や資産家の寵愛のもと巨額の財産を手にし、政治まで動かす超高級娼婦。その頂点にあった一人の女が何者かに殺されドナウ河を流れてくる...。

⚪キャッチコピーとセリフ
“実話歴史サスペンスの傑作!”

「知っているか? 40を過ぎた女は臭い」

⚪感想
エロティックサスペンス作品。

実話であることにびっくり。
調べてもどんな事件だったのかは分からなかった。

たった4日間の出来事。

メインはカトゥ、ロージ、エルザの3人の女性。
カトゥは新人家政婦でロージとエルザはかつて親友であったがロージが家政婦として働いている。エルザは売春婦から実業家の愛人に。

3人の俳優さん全員が演技が上手いのに日本人が観る作品には出演していないらしく残念。インスタグラムはあったけど。

男のドロドロもいいけど女のドロドロも面白くて好き。

第一次世界大戦前の時代。雪の降る季節。
セットや衣装、メイクが良かった。特にカトゥのメイクが可愛くて、アイシャドウが素敵。

そこまで「犯人は誰だ?」みたいなことはしてないけれど人間同士のいざこざは見応えがある。

翻弄される男と女。

終始重く冷たく暗い雰囲気。

愛や信仰や名誉、友情、憎しみなど色んな感情が混ざりあっていて深い。

88分と短くも長くもない程よい時間なのでちょっとドロドロしたの観たいなという時に丁度いい。



⚪以下ネタバレ



マックスがロージに言い寄られて「知っているか? 40を過ぎた女は臭い」って言うけどお前もだろ感。金しかいい所がない男すぎる。

カトゥはゲルゲイに一目惚れしていたらしく、1回目に手紙を渡した時に告白をしてキスをするのはなかなか攻めているなと思った。

ロージがなかなか複雑なキャラ。エルザのことを憎みながらもたまに愛や嫉妬が見える。エルザのことが好きだったのかと思えば、嫌いなのかと忙しい。

エルザが産んだ子供をロージが殺し、その子供がカトゥに似ているっていう話は事実なのかな。子供を天使に例えるところが良かった。

エルザが死ぬ前に鏡を見て皺や老いについて悩んでいそうなシーンが辛いし、エルザを殺したロージがエルザのように鏡の前で髪を染めようとしていたりするのもしんどい。

ラストの演出によってカトゥが一番の悪女に見える。

以下ストーリー。
カトゥはエルザの屋敷で家政婦として働くことに。エルザは元々娼婦であり家柄が良くなかったため舞踏会に参加できない、マックスとなかなか結婚できないなど問題を抱えていた。さらにエルザはゲルゲイと関係を持っていた。カトゥはエルザと仲良くなるが、ロージはそれを良くは思わない。ロージも元々は娼婦であったが、今とは逆の立場だったようだ。ある時マックスが訪れた時エルザをよく思っていなかったロージはマックスを誘うが、断られる。マックスはエルザに浮気を問い詰めるが、逆にエルザに丸め込まれる。マックスが外出した後、告げ口をしたとしてエルザはロージを追い出し、カトゥにはゲルゲイに手紙を渡してくるように頼む。カトゥがゲルゲイに手紙を渡すがゲルゲイはその内容に絶望したらしく部屋から飛び降りて死ぬ。一方ロージはエルザを殺し、箱に入れドナウ河に流す。その後、エルザの葬式がありカトゥはマックスからネックレスを貰うが、遺言と嘘をつきロージにそのネックレスを渡す。カトゥは再び冒頭の家政婦として雇って貰えるよう屋敷を訪れていた。

⚪鑑賞
GYAO!で鑑賞(字幕)。
鍋レモン

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