なな

スウィート17モンスターのななのレビュー・感想・評価

スウィート17モンスター(2016年製作の映画)
2.5
公式がゴーストワールドを引き合いに出してたので、それならばと、以下酷評。
「あたしも彼氏できんじゃん?」で解決してる感。

***

自分の思春期も相当陰鬱としてたけど、あんなにヒステリックに声荒げなかった(と思う)し、勢いで思ってもないこと言いまくることもなかった(と思う)ので、終始「大変そうね…」と思って観てた。

そーゆー狙いでしょうが、主人公が兄や親友や先生に言うことが見事に全部ブーメランすぎて、鬱陶しいやっちゃな、と。

最終的に、『主人公は素直になり、ちょっと思春期脱しました、めでたしめでたし』な心の成長っぽく終わるけど、それにも納得できず。
自分が特別な人間ではないこと・普段バカにしてる周りのクラスメートと実は大差ないミーハーであること・イケてる行動が「できない」のではなく「やらない」と言い張ってること等々…
誰かに依ることなく、そのへんを自分ひとりで認められて、はじめて脱思春期な気がするのに、結局「自分にも彼氏できんじゃん?」的なふわふわ〜っと大衆の道に寄った感じがして、いちばん危険じゃねえかと思わずにはいられないendでした。
こいつ、結局自立できないぞ。

ゴーストワールドが面白いのは、「思春期の成長」じゃなくて「思春期に取り残された」話だからだと思った。
取り残されるのは「この感じ絶妙!分かる」だけど、成長となると「いや、そうじゃねえから」が出てくる。

ヒステリックに騒ぎ立てるでもなく、陰でジトジト笑ってる感じ含め、ゴーストワールドの方が既視感。
ただし、パーティーでひたすら浮きまくって馴染めないキョドり方は純度100で共感。映画館で発狂しそうだった。
あと主人公にできる彼氏の顔面と体型がめちゃくちゃタイプ。
なな

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