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スウィート17モンスターのRのレビュー・感想・評価

スウィート17モンスター(2016年製作の映画)
4.8
いやービックリでした。まったく期待せず見始めたら面白すぎてグイグイ引き込まれ、最後は号泣! 良い! 主人公の女の子ネイディーンが冒頭でこんなことを言います。世界には2つのタイプの人間がいる、自信で輝いてて生まれつき上手く生きていける人気者タイプと、そんな奴らみんな大爆発で死ねばいいと思ってるタイプ。ネイディーンのお兄ちゃんダリアンは前者、ネイディーンは後者です。ちなみに私は前者です。こいつぁ面白そうだ! この哀れなひねくれ女がどんなことになるかとくと見届けよう! ネイディーンはただひとり自分を愛し理解してくれたパパに若くして死なれてしまい、以後数年最悪の人生だったんやけど、たった一つの救いが、小学校の頃出会った唯一の友だちクリスタ。けどある日、うちに泊まりに来させて自分が酒飲んでぶっ倒れてる間に、憎っくき兄のダリアンとセックスしてて、hey, 私とダリアンのどっちを取るのよ! そんなの選べないわ! じゃあもういい! 終わりよ! と絶交、オンリーワンの親友すら失ってまう。ホントは死ぬほど私を選んで欲しかった、ホントは全然絶交したくないのに…けど衝動に身を任せてしまったネイディーン。心が痛いううううう。そのあとやることなすこと口に出すこと、すべてトゲトゲしくなって、ひねくれて、そのせいでさらに自分をマイナスな方にマイナスな方に追い詰めてしまい、挙句つらい思いをしてるのは自分だけと思い込んで自暴自棄になる。うわーはははははははは…おかしいね、って爆笑しながら、胸が痛くてしょうがない、何か自分と重なる部分もちらほら。そんな彼女をこりずに相手してくれるのが学校のおじいさん先生、これを演じるのがウッディハレルソン。もうじいさんやのにどんだけセクシーなイケメンやねん!と驚きしかなかった。で、最後に、人生のあるひとつの真理に気づいて自分という呪縛から解放されるシーンがあるねんけど、そこですごく号泣してしまった。オレ前者のはずやのになー、後者の気持ち分かりまくりやった。結局どんな人間もみんないろいろ痛みを感じながら生きてるってことやね。全体的にめちゃくちゃいい話なんやけど、最後、何だかんだで、幸福のベース or ゴールとして恋愛が存在してるって感じなのはちょっと賛否両論かなーと。それでも、すごく面白かったけどね。しかも、最後の最後のそのあとは、また違う問題が起こってくる予感がプンプンしてるしね。人生て難しいもんだなぁと。ママがとても示唆的なセリフを途中で言います。ホントはみんな私と同じくらい悲惨で空虚、そうじゃないフリをするのが上手なだけ。ちゃんと大人たちの問題にもグサリ切り込み。すばらしいっす。いやーホント面白くないシーンが全然なく、笑えるわ、泣けるわ、テンポも音楽もテーマも良いわで、これはBlu-ray買いやと思う!
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