にゃんこむ

スウィート17モンスターのにゃんこむのレビュー・感想・評価

スウィート17モンスター(2016年製作の映画)
3.7
高校2年生のネイディーンがやらかしまくる青春映画。
自分の学生時代思い出して恥ずかしくなる。

高校2年生のネイディーンは、パリピではなくどちらかといえばインキャで自己嫌悪したり被害妄想したり、かと思えば若さ故の全能感だったり、自分は特別なんだと思う気持ちが強い。そして誰からも理解されないという鬱憤を貯めていく。
唯一の親友クリスタは自分の兄ダリアンをくっついてしまい、疎外感で八つ当たりするし、4年前に父が亡くなってからは完全に一人ぼっち。
自分に自信が無く寂しさも感じているけれど、素直になれないから暴言を吐いたり、知ったように下ネタを口にしたり、タイトル通りのモンスター。
このお話はそんなひん曲がったネイディーンが、周囲と和解し、大人の階段に足をかけ始めるお話。

学校の先生がモンスターの扱い方上手すぎて尊敬する。
私だったらブチ切れちゃいそう・・・・・・と思いました。

ラストシーンのアーウィンとネイディーンの会話の間が良かったです。ネイディーンがまた余計なこと言って失敗するのか??と思ったけれど裏切られた瞬間は、ネイディーンと同じく息を呑みました。

ケリー・フレモン・クレイグ監督の作品は初視聴。
そもそも今作で監督デビューしたケリー監督。初でこの作品を撮るのって凄い。素直に尊敬します。

作中ではネイディーンが多方面に喧嘩を吹っかけるのですが、ただ闇雲に八つ当たりしているわけではなくて、その行為に至る心情が理解できるし、共感できる。
だからといって、賛同するわけじゃなくて「ああ、若いときってこう思っていたなぁ」としみじみ感じることが出来る作品でした。

ネイディーンの毒のある発言が、いちいちテンポが良くて面白くて、爽快なのも良いポイントでした。
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