EDDIE

スウィート17モンスターのEDDIEのレビュー・感想・評価

スウィート17モンスター(2016年製作の映画)
3.9
思春期真っ只中のひねくれ少女が母親、兄、親友、教師らとぶつかりながらも成長していく。個人的には教師ブルーナーとのやり取りにニヤケが止まらない。

本作の主人公は高校2年生の女子高生ヘイディーン。今年公開の『バンブルビー』でオートボットのバンブルビーと熱く固い友情の育みを見せてくれたヘイリー・スタインフェルドが演じます。私彼女のこと、『トゥルーグリット』以来観たことなかったんですが、鬱屈とした幼気なティーンエイジャー女子の複雑な表情や心境を演じるのが実に巧いなと。

ヘイディーンは4年前に最愛の父親を事故で亡くし、母親や兄ら家族とはぶつかってばかり。唯一の友達とも言えるクリスタはとあるきっかけで、大嫌いな兄と恋仲に!
周りに信用できる人間は誰一人おらず、とにかくどんどんマイナスな方向に落ちていきます。
学校に行っても、家にいても、パーティに行っても居場所がない。
そんな中、本音で話ができる教師のブルーナー(ウディ・ハレルソン)との関係性がまた心地よい。
ヘイディーンは、とある失敗から「自殺したい!」とブルーナーにぶちまけ、その事の発端を説明しますが、その時のブルーナーのひと言が最高にツボでした。やっぱいいなぁ、ウディ・ハレルソンは。

あとは高校生の赤裸々な苦しい恋模様や失敗を打ち出しながら、徐々に家族と歩み寄っていくのがこの作品の見所なわけです。
私は兄のダリアンが妹ヘイディーンに心のうちをさらけ出す瞬間がとても好きでした。兄妹でありながら、互いのイヤな部分ばかり見ていた彼ら。だけど、本心でぶつかり合うのは初めてで、そんな彼らが歩み寄った瞬間はとてつもない爽快感に包まれました。

ラストまでの展開としてはある意味想像通りではあったけども、男友達のアーウィンのキャラもすごく良くて、ウディ以外にそれ程思い入れのある俳優はいなかったですが、キャラクター一人一人が凄く魅力的で飽きる事なく作品を観ることができました。

気難しい女子高生の甘酸っぱい恋や友情、そして家族との絆の物語。人生でマイナスなことばかりが押し寄せたとき、ふと元気付けてくれるような作品だと感じました。
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