ずどこんちょ

スウィート17モンスターのずどこんちょのレビュー・感想・評価

スウィート17モンスター(2016年製作の映画)
3.6
偏屈こじらせセブンティーン女子。
ナルシストで自分が中心にいると信じてやまないであろう兄に対して、妹のネイディーンは幼い頃からずっとみじめな気持ち。
いいあんばいにちょっとダサい服に身を包み、話したこともないイケメンとの妄想を膨らませ、すぐ屁理屈を口にする独特に歪んだ性格を持つ彼女にはほとんど友達がいません。
すぐ拗ねて、「なんで私ばっかり!最悪!」と塞ぎ込み、着色料たっぷりの甘いものを摂取。まさに17歳のモンスターです。
でも、学校の悩み相談相手は一方的にネイディーンが話しかけるブルーナー先生。亡き父の姿を重ねているのでしょうか。同情できるところもあります。

そんな17歳のネイディーンに史上最悪の出来事が訪れます。
幼い頃からの親友が兄と付き合い始めてしまったのです。こりゃ確かに最悪だ!

よく考えれば、とびきり変な子というわけでもないのではないでしょうか。承認欲求が大きい思春期の少年少女の暴走や自分のことを好きになれない自己肯定感の低さが痛いほどに分かる。
あそこまでサイコ女っぽいメールを誤送信してしまったことはないですが、彼女が経験する辛さや鬱憤はきっと大なり小なり、誰しも経験したことのある痛みじゃないでしょうか。

しかし、彼女はやがて知るのです。
そんな「痛み」を堪えて、平然と装って、人はいつしか大人になっていくのだということを。
その苦悩は私だけではないのだということを。