きりん

エゴン・シーレ 死と乙女のきりんのレビュー・感想・評価

エゴン・シーレ 死と乙女(2016年製作の映画)
3.7
東京都美術館で開催されている『エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才』に行ってきました。と言うのも私が最も好きな漫画『ジョジョの奇妙な冒険』作者である荒木飛呂彦先生が影響を受けたと言うじゃありませんか。そりゃぁ見ない訳にはいかない!

エゴン・シーレの作品を中心とするコレクションを所蔵するレオポルド美術館から他にもグスタフ・クリムト、オスカー・ココシュカ、コロマン・シューザーといった当時の名だたる作家の作品もあり見応えある展示でした🖼

なんと言ってもエゴン・シーレの描く人物構図はジョジョそのもの!そこにシビれる!あこがれるゥ!
また28歳の若さでスペイン風邪によりその生涯を閉じた短き人生の中に溢れた探究心と変化に驚かされた✨


本作は天才エゴン・シーレ(ノア・サーべトラ)の命尽きる時から遡り、献身的に支え続けた妹ゲルティ(マレシ・リーグナー)とシーレとは数年に渡りモデルでありパートナーでもあったヴァリ(ヴァレリー・パフナー)との日々を綴る伝記映画🎞

映画で観る彼の人生よりも美術館で生の絵を見て体験する方が圧倒的に経験値が高いと感じた。それほど画に力強さと魂を感じる。

少女のヌードなどの絵は猥褻物とみなされたり、未成年誘拐の罪をきせられ拘留されたりとタブーを描くシーレの絵は過激的だ。
日本の浮世絵春画に影響を受けたというのも面白い。芸のためなら女房も泣かす🎶とだれかが歌っていたが、芸のためにどれほどの人を泣かせてきたんだろうか。

また彼の作品に影響与えたヴァリは居なくてはならない存在ながらもどこか孤独で第一次世界大戦の勃発もあり、悲しい運命に翻弄されたもう一人の主人公のようにも思えた。
改めて「死と乙女」の画が語る愛の深さよ。


本作映画とエゴン・シーレ展の情報を教えてくれた親愛なるフォロワー開明獣さんに感謝申し上げます。
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