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エゴン・シーレ 死と乙女の4のレビュー・感想・評価

エゴン・シーレ 死と乙女(2016年製作の映画)
4.8
「芸術を笑うな」

エゴン・シーレは輝かしい才能の持ち主だ。いつでも芸術家だった。
28歳で亡くなるまでずっと、世間には理解されないエロス芸術を追求していた。どんな時もペンを置かなかった。
「軍隊生活は地獄だ。毎日描かないと死んでしまう」


エゴンはもちろんですが、ヴァリがいいですね。ヴァリのせいですごい泣いた。
手紙など。

「親愛なるエゴン
戦場で偶然あなたに出会えたらいいのに
緊急連絡先にあなたの名前を書いたわ
悪く思わないで
おしゃべりなヒバリは猩紅熱にかかり
ダルマチアの海辺の野戦病院にいます
でも私は雑草のように強いから大丈夫
手紙を書く時間もできたわ
新聞で見た家を見つけました
一緒に住もうと話したあの家よ、覚えてる?
残念ながら 中に入れなかったけど
明日はクリスマスですが雨と風の悪天候です
ウィーンで見た雪が忘れられません
もし叶うならば…」


ヴァリは一言も好きや愛してるなどという言葉を使ってないのにも関わらず、どれほどエゴンのことを愛しているのかがこの手紙で伝わり過ぎました。

アントンとゲルティが結婚したときなんか。「世界中のどんな人とも何があろうと決して恋に落ちません」ってサインしちゃうし。
秘密の結婚なんて。「毎年エゴン・シーレと休暇を過ごすことに同意します」と、結婚協定を結ぶ。

『死と乙女』に書き換えるエゴンが切なくて苦しくて涙がこぼれた。
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