次々と女性モデルを乗り換えていくエゴン・シーレ。妹ゲルティから、モア、ヴァリ、結婚相手となるエディット…美しく妖艶で退廃的な女性たちは、絵として見たことのあるそのままの姿だ。シーレ自身にクリムトを含め、よくぞイメージ通りの俳優を集めたものだと感心。但し、シーレ演じるノア・サーベトラとヴァリ演じるヴァレリー・パフナーにはカリスマ性があって惹きつけるけれど、自画像には触れないし、事実をさらりと辿る物足りなさも。とことんエゴイスティックなシーレの人物像だけが残る。でも、大量に処分されたスケッチは勿体ない…。あと、ウィーンでも額縁ショウがあった(こっちが本場か)。