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エゴン・シーレ 死と乙女のiceblueのレビュー・感想・評価

エゴン・シーレ 死と乙女(2016年製作の映画)
3.6
大きな鏡が印象的。行く先々に持ち運び、鏡越しに映るモデル達。ふんわりとした下着姿に布を纏って。もしくは大胆なヌードでねじれたポーズをとって。妹、タヒチの踊り子、妻とその姉…群がってくる女性達を独特のタッチで描き続けたエゴン・シーレ。
中でもクリムトに紹介されたモデル、ヴァリとは、濃密で情熱的な同志のような関係に描かれている。いつも寄り添っていた二人。田舎家の暮らし。はしゃいだ雪の夜。夢に描いた海辺の家…。
絵のイメージから想像していた彼は芸術家肌のエゴイスト。なのであの選択は彼らしいのかも知れない。その苦渋の想いがあの‘死と乙女’に込められているのだろうか…。
憧れていた海辺の素朴な一軒家の映像とともに読まれるヴァリの短い手紙が詩のようで心に残る。映画そのものも美しいシーンに溢れている。ただ、主役が繊細な美形だったせいか絵に没頭する迫力のようなものはあまり感じられなかった。
本当はどんな人物だったのだろう。実在の人物の映画って、かえってまた想像を膨らませてしまいます。