継

エゴン・シーレ 死と乙女の継のレビュー・感想・評価

エゴン・シーレ 死と乙女(2016年製作の映画)
3.2
歪(いびつ)な線, 捻(ねじ)れたポージング
血色が良いのか, 悪いのか
肌や顔色はくすみ, 痣(あざ)の様にも見える

表層を尖ったニードルで削り, 彫り刻んだ銅板画の様な線描
それは病巣を抉(えぐ)り出す メスの切り口の様でもあり
逆に
滑らかな皮膚(キャンバス)に神経質な内面を晒した “ためらい傷” の様でもある
再生と死の, 危うい均衡.

グツグツと沸騰する文化の坩堝の様な街, 世紀末のウィーンに
退廃と腐臭漂う掃き溜めに蠢く灰汁の様な前衛が, その華を咲かせるー.


少女をモデルにするのは性的嗜好のみならず、親からの資金援助が絶たれた駆け出しのこの時代に「需要がある作風」だった事が描かれていました。
無意識や自我、同時代を生きたフロイトの精神分析と絡めても面白いストーリーが描けたかもしれません(^^)。

シーレ役は爽やかな風景画を描きそうなイケメンで、あの絵を描くようにはどうにも思えずww、もっとナルシスト全開の爬虫類系で神経質そうなイケメン(そんなのいるか😅?)だったらなぁと。
小さいですけどmyプロフィール画像↑のサッドな風景画や小首を傾げたゲルティのドローイングは気負いが無くて個人的には好きです。
継