たま

ジェーン・ドウの解剖のたまのレビュー・感想・評価

ジェーン・ドウの解剖(2016年製作の映画)
4.5
見始めるまで密室ミステリーだと思ってたんです....。

ホラーじゃん!もうめっちゃくちゃ怖いじゃん!身元不明の美しい死体解剖から始まる前半はジワジワくる医療系ゴア表現にメンタルを軋ませ(でも下品じゃないのはひとえに美しすぎる死体の力)、次第に事情がわかってくる後半の怒涛の展開へ。

見慣れているホラーだと恐怖のアイデンティティ(=残虐さ、殺し方)を知らしめるために必ず迂闊な脇役が用意されてるじゃないですか。今作にはその要素が皆無。なにぶんこのシチュエーションには被害者たり得る存在が2名しかいない(あとひとりと1匹いるけど)訳で、しかもその二人がかなり冷静かつ的確に対応する。画面から感じる不安や違和感に想像力をかきたてられるも終盤まで答えは明らかにされず、起きている数々の恐怖の事象も正体やルールがあいまいで、次になにがどっち方向から起こるのか予測できないし、対策もさっぱりわからない。意外とベタなジャンプスケアが多いのに最後までじっとりとした恐怖心が拭えないのは、丁寧な前半の刷り込みが効いてるのだと思います。つーかそのまんま終わったよ!

結局どういうことだってばよ!?て思うけど、続編があったとしてもやはりジェーン・ドウはジェーン・ドウのままなんじゃないかしら。新たなホラースターの誕生じゃないですか?
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