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ジェーン・ドウの解剖のチーズマンのレビュー・感想・評価

ジェーン・ドウの解剖(2016年製作の映画)
3.7
おっと、面白いぞ。

一家3人が惨殺された家の地下室から見つかった身元不明の女の遺体を検死解剖していると、次々と恐ろしい事が起こる遺体安置所の中だけで繰り広げられるホラー。

まず検死解剖に特化したホラー作品を多分観た記憶がないので新鮮で面白かった。
ほんとミニマム、狙いというかやりたい事がはっきりしてるから必要な要素だけを結構丁寧に描いてくれていた。
しかも必要な要素だけだからいくら積み重ねてもタイトに感じる、実際86分だし、むしろ尺を伸ばしたぐらいに思えた。
しつこいぐらい繰り返し何度も挟まれる女の顔と、廊下は、怖さの煽りと尺稼ぎの半々な気がするんだよなあ。

検死解剖をするのが父子のコンビってのがまた良くて、しっかり血の通った関係に見えた。


でもやっぱオルウェン・ケリーの演じたジェーン・ドゥ(名無しの権兵衛)でしょう、不自然ぐらいに美しい遺体、それだけで十分にミステリアスになってしまう。
前歯と前歯がほんの少し離れて隙間があるのがとても良くて、その前歯の隙間という“余白”があるから観客も想像力を働かせる?…な訳は無いんだけどね。笑


ラジオから流れるあの曲なんだよ怖えな〜この映画の為に作ったのかと思ったら、「マクガイア・シスターズ」なるコーラスグループが1955年に発表した“Open Up Your Heart”という曲で、YouTubeで聴いても別に怖くないしハーモニーも柔らかで楽しい曲。
しかし密室でラジオから流れてきたら要注意!
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