円柱野郎

ジェーン・ドウの解剖の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

ジェーン・ドウの解剖(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

検死官親子のもとに運び込まれた謎の遺体。
その遺体は外傷がある様に見えない女性の遺体だったが、解剖を進めるうちに不可解な現象が起こり始める…。

あまり情報を入れずに観始めたのだけど、ミステリーかと思ったらホラーだったw
でも限定された空間を舞台に少ない登場人物で緊張感を持続させるホラー演出はなかなか見事。
ネタを明かせばオカルトなんだけど、「銃創もないのに弾が出たようなもの」という上手い例えで普通の遺体ではないという印象を与えたり、鼻からハエを出させた場面で「あ、これは悪魔の仕業や」と観客に勘づかせるやり方はなかなか好み。
そこからの不穏な感じを煽っていく段階の踏み方がしっかりしているのが良いね。
ラジオの曲やベルの音などの前振りも観客に上手く恐怖感を与えていたし、土中から見つかった遺体のに傷んでない理由の回収とかもしっかりしていて、ストイックなホラー描写とも相まって大いに楽しめましたよ。

主人公は父親の検死官(ブライアン・コックス)とその助手である息子(エミール・ハーシュ)の男二人という構成で話のほとんどをけん引する。
息子の彼女(オフィリア・ラヴィボンド)も出てくるけど、ホラーにありがちな悲鳴要員でないところも設定的には好感。
"ジェーン・ドゥ"の解剖シーンはかなり作りこまれていて目を見張った。
スプラッターやゴア描写に代わる要素としての作り込みだろうけど、ここがリアルだからオカルト的な要素も生きてくるんだよな。
ただ終盤のまとめ方は割とありがちなバッドエンド系だったので、そこは少し凡庸に感じた部分もあるのだけれど…。
まあ悪魔が顕現して大暴れするよりはこっちの方がいい塩梅だったかなとは思っております。
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