ユンファ

アンダー・ザ・シルバーレイクのユンファのレビュー・感想・評価

4.0
もっと難解な作品かと思ったが、そうでもなかった。
好きか嫌いかでいったら好きだが、リンチほど魅力的でもなければ、ヒッチコックほど技巧派でもない。
この監督の前作でも感じたことだが、彼のやっていることは斬新でも何でもなく、むしろやり尽くされた感があることばかりだ。
それでも140分の長尺を飽きずに見られるのは、僕らを育てたポップカルチャーへの愛憎に感情移入せざるを得ないからだ。
あのソングライターのジジイに対して主人公のとった行動は正しい。誰だってそーする。オレもそーする。
慣れ親しんだポップカルチャーをサンプリングし、そこからオリジナルを生み出そうとする姿勢は、90年代以降のほとんど全ての映画監督に見える。
混迷する現代に、それでも“何か”を創作した監督にまずは喝采を送りたい。
ユンファ

ユンファ