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アンダー・ザ・シルバーレイクのsonozyのレビュー・感想・評価

3.8
『アメリカン・スリープオーバー』『イット・フォローズ』のデヴィッド・ロバート・ミッチェル監督の期待の新作。

"ヒッチコック、R.E.M.、デヴィッド・リンチ、ニルヴァーナ...あらゆるカルチャーが交錯する〈新感覚〉ネオノワール・サスペンス"というキャッチ通り、様々なサブカルチャーのオマージュあり、引用ありの"脳内かき乱される系"のカルト・ムービーでした。

主人公は、ハリウッドの東側にある貯水池シルバーレイク近くのアパートに住むサム(アンドリュー・ガーフィールド)。
カート・コバーンを信奉し、ミュージシャンを夢見てた風だけど今は仕事もせず家賃滞納で立ち退き宣告されているオタク君。

隣の棟に住む、いつも上半身ヌードでベランダに出てくる年増の女性を眺めたり、デリヘルを呼んだりダラダラ過ごし、たまに母親から電話がかかってくる日々。
ある日、一階にあるプールサイドを犬連れで歩く美女サラ(ライリー・キーオ)を見かけ、思わず双眼鏡でチェックする。
その夜、彼女の部屋の前で声をかけ、部屋に上がり、ラブラブモードになるものの、ルームメイトが帰ってきたため「明日の午後また会いに来て」とサムを帰すサラ。

翌朝、サムがサラの部屋を訪ねるとそこはもぬけの殻。
一人の女性が残された箱ひとつを取りに来る。そして部屋には暗号のようなものが。

その女性の後を追うサム。サラを追って、シルバーレイクの闇社会や妄想世界へ入り込んでいく。。

140分間と長めで、オマージュや引用、暗喩っぽいけど何だか分からない...だらけのストーリーですが、最後までゾワゾワを楽しめました。

この手の作品は、解読/解説を探るのもいいんですが、しばらくはこの"何だか分からない"読後感を楽しもうと思います。

※町山智浩さんいわく、同じくグリフィス天文台が出てくる『ラ・ラ・ランド』と表裏の関係になるとのこと。なるほどなぁと。
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